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インテリアデザイン講座の5回目は、沖健次氏です。沖氏は造形大を卒業後、クラマタデザインに参加し、現在は東京でジ・エアーデザイン・スタジオを主催しています。
創造する行為に立ち向かう
まず沖氏は、最近感銘を受けた1通のDMについての話から始めました。
「ラディカルでアバンギャルドな70年代、大きなムーブメントが社会にあった80年代は、誰もした事が無いデザインに挑戦しよう、という意識を持っていた。ただ、昨今は社会が成熟・高度情報化し、オリジナル神話が崩壊して、社会に新しい物を受け入れる素地が無くなった。デザイナー自身も方向転換を求められ、新しい物作りへの意識が萎えはじめていた。
そこに、あるアパレルメーカーからのDMが届いた。要約すると、『60〜90年代、ファッションが時代をリードしてきたが、ここ数年は個性や変化に乏しい。日々の我々の生活に影響を与えるファッションが、新しいものを創造するべきだ。常に新しい物を未来から持ってくるべきで、我々は自由で心踊らせる服づくりを目指したい』とあり、まさに今の自分の意識を代弁しており、深い感銘を受けた。」と語ります。
そして、「今大事な事は、新しくモノを作る、創造する行為に立ち向かう事だ」と続けました。
60〜70年代のデザインと自由の獲得
続いて氏がデザインを学んだ60〜70年代のデザインについて、スライドで説明しました。「生活の中のさまざまなシーンを革新していく中から、新しいデザインが生まれていった。大きく分けると、家具を空間化、環境化、建築化、部屋化、巨大化する系と、装置を製品化、カプセル化する系の2種類の方向でデザインが進化していった。いろいろなデザインを試行する中から自由を獲得しようとしたが、最終的には、システムやモノの制約から抜け出ることが出来ず、真の意味での自由を獲得することができなかった。」と話しました。
『編集としてのデザイン』と『形のないデザイン』
さらに、氏自身のデザインの考え方として、「まずモノを主体的ではなく客体として捉える事からデザインを構築した。80年代には、さまざまな素材を移植したり重ねあわせたりしてデザインを構成する、『編集としてのデザイン』を実践した。そこでは応用芸術のように、さまざまな要素・イメージ・形態・素材を、一つの空間の中で表現していった。」と話します。
そして、「90年代に入ると、別の考え方として、『形のないデザイン』を試行しはじめた。それは、作られた形に依存せずに、モノが本来持っている属性を利用してデザインを進める、という方法である。また同時に、作家として持ち上げられる現状に対し、批判的な意味も含めて、あえて非作家的な活動の方法をとる、という意味もあった。」と続けました。
デザインの発見
最後に氏が学生に与えている課題について、「デザインは作りたいものを作る行為であるが、既にあるモノから新しいデザインを引き出してくる、いわば『デザインを発見する』行為も求められる。そうする事により、ゼロから考えても出てこない事が、そのモノの特性を利用することで発想につながって行く。デザインを発見することから新しいイメージをつかみ、またデザインに立ち向かう意識を感じて欲しい。」と受講生にアドバイスされて、講義を結びました。
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